植木屋がつくる樹木系エッセンシャルオイル(精油)

全国有数の植木産地である福岡県南地域は、いつ訪れても豊かな緑が迎えてくれます。
その緑を育てているのが植木屋。
「福岡県の緑を考える会」(以下、考える会)は植木の生産・流通に携わる若手経営者の団体です。
今、考える会では豊かな樹木の知識と経験を生かして、樹木系アロマの商品開発に取り組んでいます。

精油の香りといっても、たくさんの種類がありますね。
樹木系、ハーブ系、柑橘系、フローラル系、オリエンタル系、樹脂系、スパイス系など、それぞれに特徴があります。
香りの好みは人それぞれですが、森とともに生きてきた日本人にとって、樹木の香りは本能が求める香りだと言えます。
考える会の有志が取り組むのは、植木生産地の特色を生かした樹木系アロマです。
ここではその活動を紹介します。


樹木系アロマの可能性

アロマがもたらす作用

植物から抽出される『精油(エッセンシャルオイル)』の香りを嗅ぐと、香り成分が鼻腔内の神経細胞を介して、脳の本能的な部分を司る大脳辺縁系や視床下部を刺激し、
不安やイライラを抑え、自律神経のバランスを整える等の作用がある
ことが多くの研究から分かっています。
その結果、現在アロマテラピーは医学の領域、精神衛生、環境衛生など多くの分野で使われています。
現在の傾向は、精油をベースにした医薬品の開発です。
ドイツではすでに承認されていて、今後幅広く精油が使用される可能性が拡がりました。

出来立てのアロマオイル


樹木系アロマの特徴

樹木系の香りはモノテルペン炭化水素類のαピネンが多く含まれ、森林浴に近いリラックス作用とリフレッシュ作用を得ることが出来るとされています。
ある研究においては、 緑の香りに含まれる青葉アルコール、青葉アルデヒドの香りを嗅いでいると、疲労に伴い活動が下がってくる脳の前帯状皮質の活動が落ちにくくなることが実証されています。
また、園芸作業と疲労の関係を検証する実験において、園芸作業は神経症症状の改善や緊張、不安、抑うつ感、疲労感などを減少させる作用がありました。
疲労度の指標となる唾液中のコルチゾール濃度を低下させ、作業によるストレスを緩和し、中枢性疲労の回復効果が認められました。

樹木系アロマは、
リラックス作用、抗菌・防カビ作用、防臭・消臭作用、防虫作用
などがあることがすでにわかっています。
また、空間アロマテラピーには森林浴のような樹木系アロマが最適です。

マートルの成分分析

成分分析結果(マートル)PDF


主要成分 グループ 概要 効能
アルファピネン テルペン系 マツなど針葉樹系の香りの主成分 森林浴効果 強壮作用 血行促進作用 うっ滞除去作用 抗菌作用 免疫向上作用
エルリモネン テルペン系 l-リモネンはミントやフランキンセンスに存在(柑橘系はd-リモネン) 抗菌作用 抗ウイルス作用 鎮静作用 抗がん作用 血行促進作用 胃の強壮
ユーカリプトール オキサイド系 ユーカリやローリエなどに存在 去痰作用 抗菌作用 抗ウイルス作用 抗炎症作用 免疫調節作用
ミルテルアセテート エステル系 マートル等に存在 鎮痛作用 鎮静作用 抗炎症作用


ウラジロモミの成分分析

成分分析結果(ウラジロモミ(新芽・小枝))PDF


主要成分 グループ 概要 効能
アルファピネン テルペン系 マツなど針葉樹系の香りの主成分 森林浴効果 強壮作用 血行促進作用 うっ滞除去作用 抗菌作用 免疫向上作用
カンファー テルペン系 ローズマリー、シトロネラなどに存在 鎮痛作用 鎮静作用 去痰作用 抗痙攣作用 殺菌作用 血圧上昇作用 抗うつ作用 消毒作用 利尿作用 抗炎症作用 強心作用
エルリモネン テルペン系 l-リモネンはミントやフランキンセンスに存在(柑橘系はd-リモネン) 抗菌作用 抗ウイルス作用 鎮静作用 抗がん作用 血行促進作用 胃の強壮
ボルニルアセテート エステル系 モミの精油の特徴的成分 抗菌作用 鎮痛作用 鎮静作用 抗ウイルス作用 抗菌作用



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樹木系アロマオイル(精油)の使い方

  • 虫除けアロマスプレー
  • 消臭剤のかわりに
  • 入浴剤に
  • 石鹸・シャンプーなどに添加して使用
  • 建築材料への添加(防カビ・防ダニ効果)
  • 精油の副産物『蒸留水』を使って、化粧水・クレイパックなどの美容に
  • ティッシュに1~2滴精油を落として枕元に置き、熟睡を促す

「考える会」の強み

  • 若手の植木生産者の会で、植木生産の技術と原料となる植物(樹木)を正確に識別して生産管理できる技術を併せ持つ
  • 精油に優れた樹種が何かを見分ける技術と、豊富な研究材料を併せ持つ
  • 剪定した枝・葉から精油が採れる
  • 精油を採るのに適した時期を特定し、成分の安定化を図ることができる
  • まずは、マートル(ギンバイカ)を積極的に研究中。福岡県の推奨樹種「ギンバイカ(マートル)」からは優れた効果をもつ精油が採れることが分かっている。

【マートルとは】
マートル(ギンバイカ)
マートル(ギンバイカ)は、福岡県の緑化木推奨樹種の一つであり、地中海地方の原産でフトモモ科に属します。
5月末から6月にかけ白いおしべが目立つ可憐な花(梅に似ているので銀梅花)を咲かせます。
この木の特徴は花が可憐で美しく、枝葉や実に芳香がありハーブとして利用され、生垣にも適しています。
土壌や気候によって栽培が難しい面がありますので、福岡県と福岡県の緑を考える会が共同で栽培技術の研究をしてきました。
ヨーロッパでは祝いの木とされ、英国のウイリアム王子とキャサリン妃の結婚式のブーケにも5種の花の一つに使われました。

【活動の様子】

蒸留試験中

色んな樹種で試しています

出来立てのアロマオイル

マートル(ギンバイカ)生垣

マートル(ギンバイカ)生垣

マートル(ギンバイカ)苗

これまでの活動と今後の見通し

樹木などが放出する化学物質(α-ピネンやリモネンなどのフィトンチッド)が人の体や心に影響を与え、ストレスを緩和するのに役立つことは、すでに多くの研究があり、多くの人が知っているでしょう。
ここ県南地域は緑豊かな環境に囲まれていますが、ここで得られる
自然の癒し効果をより多くの方に、身近に気軽に感じていただきたい
と考えています。

歴年 内容
平成22年 考える会会長(当時)の福島氏が樹木の機能性について調べる中で樹木の精油に着目
平成23年 考える会と福岡県森林林業技術センター(現資源活用研究センター)でギンバイカの共同研究を始める

平成24年 小型の蒸留器で試験蒸留を始める。マートル(ギンバイカ)、モミ、トウヒ、クロモジ、シロモジ、クロマツ、カナクギノキ等から精油を抽出
平成25年 考える会の講演会に九州大学清水邦義氏を迎え、会員全体で樹木の新たな活用法について学ぶ
平成28年 考える会の講演会にアロマセラピスト倉地摩紀子氏を迎え、会員全体で樹木系アロマの可能性を学び、本格的に蒸留実験を開始する
平成29年春 考える会の有志で「アロマ事業部会」を立ち上げる。
平成29年夏 マートルのアロマオイルを限定100本、特別価格で販売します!
7月7日 発売
共同国際会議2017in福岡の会場内にて、販売開始します。
その後は福岡県の緑を考える会が窓口となり販売します。
平成31年頃 アロマオイル販売30種を目指す
            

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